手順その④ いよいよタミヤ瓶で作成へ。
パレットでの配合が終わったら、いよいよ、混色の本番となる。
この時に配合がきちんと確定するので、慎重に行いたい。
まずは配合表を基に、どのインクが実際に何ミリ必要となるかを計算する。
例えば、
AB1:QB1:SY1という配合で、10mlのタミヤ瓶で作りたいという場合には
それぞれの色を3mlずつで混ぜ合わせれば9mlのインクができる。
では、次の配合の時はどうすれば良いのか。
AB2:QB5:SY1:DL10
この場合には
AB1ml:QB2.5ml:SY0.5ml:DL5ml
というように、数値を半分にしてそれをmlで合計すれば問題はない。
この場合は合計が9mlとなる。
では、どのように割ってもこの合計が10mlを越えてしまう場合にはどうするか。
その時にはその容量が入るような大きめのボトルで作るしかない。
それは自分の中で何かしらのルールを作りながら、対処していきたい。
そういうルールを作るというのも混色インクの楽しみでもある。
さて、実際に当館ではどのようにインクを混色しているのかを実例を見てもらおう。
まず、デジタルスケールのスイッチを入れ、液体表示、0.0ml表示に変え、スケールの上に空のタミヤ瓶を置いてから、0表示にする。
そして、そこにインクを追加していくのである。
ここでまた注意しなくてはならないのは、ここに表れる数値は合計の数値であるということ。つまり、3.5mlの次に加えるのが2.5mlだとしたら、合計して6mlになるまで追加するということになる。
完成したら、キャップをして、良くシェイクしよう。
これも混色過程において大切なことだ。
シェイクしたら、まず試筆で利用した筆記具(ガラスペンやメイク棒など)で試筆してみよう。もしパレットで作ったものと同じ色だったら、その配合は正しいことになる。
ところが、微妙に自分のイメージと違うこともあるだろう。その際には、少し乾いてから見直してみたり、あるいはガラスペンではなく、万年筆に通して書いてみよう。それでもイメージと違う場合には、一滴の量が違っていたことも考えられるので、もう一度作り直し必要がある。
また、まれに、思っていた色と微妙どころか、全然違う色ができることがある。その時は明らかに配合が間違っているので、最初からきちんと配合をやり直そう。
どうしても、スポイトで混色するのとデジタルスケールで測るのとでは誤差が多少生じることもあるので、そのあたりは少しイメージに幅を持っていた方が良いかもしれない。